婿入りものがたり 第六話: どっちが多いか

婿入りものがたり 第六話: どっちが多いか

決まってないと気がすまない

お歳暮の季節。
最近はグッと数が減ったけれど、年末に届く丁寧に包装された箱の中身には、なんとなく心がときめく。

しかし、そんなお歳暮にも姑マンらしさがほどばしるのである。

姑マンらしさ…

今回の姑マン取り扱い説明書 第三項目。

【物事が確定しないと不安になる】。


毎年恒例のように送られてくるジュースやお菓子の詰め合わせの場合、どれが誰の物か、一つ一つ油性ペンで書き込んで分けるという『儀式』が行われる。

ここでは、どれが欲しいかを1つずつ取り分けていくドラフト会議のような駆け引きが存在する。

そもそも甘い物にそこまで執着のない婿どのにとっては、『どっちでもいい選択』でも多少の忖度と勘ぐりを働かせて選ばなければならないのが、とても面倒くさい。

 

ただ、これは割り切れる物の話だから、まだ簡単な方である。

等分することが難しい物の場合は、もっと『なんじゃそりゃ』という展開が待ち受ける。

例えば果物を切り分けるとき、
完全な等分で切り分ける事がとても難しいのは言うまでもない。

しかし、姑マンにとっては大きさの違いはそれこそ大きな関心事であり、損をしたくないという気持ちを全面に出してくるのだ。(顔に)

ただし、自分で一番大きい物を選択するのははばかられるのか、女将さんに選択権を委ね選んでもらうというのが恒例の解決策。

結局みんな分かっている事なので、姑マンに一番大きい物を渡してから、残りを分けるというのがルーティーンになっている。

自分のことはもとより、お店でお客さんに料理を出す際にも、
「こっちの方が多いか…どうしよう」
と逡巡する姿がしばしば。

そんな時にも女将さんが登場して解決を図らなければならない。

自分で最終決定が出来ない姿は見ていて虚しいものである。

そんな姑マンが数年前、日立のCMを見て言った一言がとても印象的だった。

このCMは、日立が暮らしに必要な水の量をITで管理調整し、安定的にコントロールするシステムを開発しているという内容。

その中で、主演の佐藤浩一さんが所々で人の物を見ては、

「あれ?そっちの方が多くない?」

と呟く。

これを見て姑マンは、

「こういう奴いるよなぁ」。

「…」

この時ばかりは、どう相づちを打っていいのか分からず、なんとも言えない表情をしてしまった。

(いやそれ、あんたやん…)

心の中でツッコんで、

「そうですね」

と返すのが精一杯だった。

このあと、微妙な空気に支配されたのは言うまでもない。

 

姑マンを攻略するには、まだまだ時間と我慢が必要そうだ…


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