婿はツライよ

第五話: キッチンタイマー

理解の上を越えていく 『時間』といえば、こんな事があった。 圧力鍋に火がかかった状態で、タイマーが鳴り響いていたのでストップボタンを押して止めた。 圧力鍋に関しては、まだ教わっていない仕事だったので、その場にいなかった姑マンにこの後どうするのかを聞きに行く。 すると突然怒りだした。 !!? 姑マン: 「タイマーが0になっていないじゃないか!!」 見るとタイマーが鳴る前に設定した20分を表示している […]

第四話: オンタイム

ついに戻ってきた婿どの 修行を終えて、ようやく自分の家の仕事に入る日、お義父さんからは朝8時に来てくれといわれた。 僕にとっては仕事初日。 僕の中で、入ったばかりの人は普通、30分前には出社して、掃除をしたり仕事を横で見ながら手伝ったりするもんだと思っている。 少しでも早く慣れたいし、仕事のやり方を覚えて戦力になりたいから。 しかし、僕は知らなかった。 姑マンが、筋金入りの鉄筋コンクリートさながら […]

第三話: 修行

修行って大変なイメージですよね 店を継ぐと伝えた後、僕には決めていることが一つ。 それは外へ修行に出ること。 とにかくスタートが遅い。 実力をつけなくては、この空風すさぶ現代を生きてはいけない。 なんてプロジェクトXじゃあるまいし、重たいわね! と思われるかもしれないけれど、本当にそう思っていたし、やるからには本物になりたい。 内側の世界だけで、自分を限定したくなかった。 実際、修行先の親方には、 […]

第二話: 伝える

最初は喜んでくれたはずなんだ 結婚する!と決めた瞬間から、今やるべき事は何だろうと、頭の中の回転がものすごいスピードで回り始めた。 両親への報告、仕事の整理、自分のやりたいことや、これから先のプラン。 割とマイペースな自分の性格からは想像できないほど、次への行動に自然と体が動いた。 自分を突き動かすもの、というのはこういった感覚なのかもしれない。 とにかく、両親への報告は早い方がいいと思い、次の日 […]

第一話: はじまりのお話

飛び込んじゃった婿の世界 長年付き合った彼女(今の妻)は、結婚願望が強くて、 まだ結婚していないのに、まるで結婚した後のような話をよくしてきた。 でもそのとき、自分はまだ20代半ば。 周りの友人はほぼ独身。 『結婚』というワードには、ちっともピンと来なかった。 ただ彼女が結婚に憧れている様子は、話をするときの嬉しそうな表情で伝わっていた。 僕は、そんな彼女を見ているのが好きだったんだと思う。 当時 […]