姑マンのトリセツ 第七話: コミュニケーション

姑マンのトリセツ 第七話: コミュニケーション

このお話は婿入り先の料理屋で、姑マンをどうやって攻略するかについてのダイアリー。
なので、愚痴っぽくなることは許してね。
この世界の誰かに励ましてほしー

今までのお話はこちらから

ちゃんと目を見てくれー

ここまで、

 【思った通りにならないとイライラする】
 【今まで通りじゃないとイライラする】
 【物事が確定しないと不安になる】

 という姑マンのイライラポイント3つを学習したわたくし。

ただ、
この3つを取扱説明書に書き足したとて、姑マンをイライラさせない方法が見つかるわけではありません。


普通にしていても、舌打ちするのがクセな姑マン。

それが婿である僕に向けられたイライラと重なると、「気にしない気にしない」と言い聞かせても、一回一回の舌打ちがボディーブローのように心をえぐってきます。

イライラを回避する方法を探さなくては体がもちません。
 
 
まずはコミュニケーションを取らなくては。
 
 
その為に僕は、積極的に話かけることを心掛けてきました。

しかし姑マンは、目を見て話をしてくれない。

そもそも自分に対して直接何かを伝えてくる、ということが無いのです。


姑マンは何かを伝えたいとき、すぐ隣に立っている僕に直接話しかけることをせず、カウンター越しの女将さんに話しかけます。

そしてその内容は、すぐさま女将さんの言葉に変換されて僕へと伝わります。
 
 
(いや、聞こえてましたよ…にんげんだもの)
 
 
相田みつお先生に、こころの叫びを作品化してもらいたくなるような、この不毛なやりとりでしか、物事を伝達する事が出来ない厨房内。

もう何度も心が折れそうになっています。
 
コミュニケーションを取るのは容易ではありません。
 
  
ただし、姑マンが不満をぶつけたい時は違います。

ギリギリ聞こえるくらいの声で、ブツブツとイライラを直接?伝えようとしてきます。

そんな時僕は、

(自分の思いを伝える努力はしないのに、イライラは伝えずにいられない!
まるで中学二年生のようであります!)

 ハァ…ハァ…

心の声を古舘一郎が実況中継する副音声に切り替え、メンタルはセーフモードで再起動を試みます。

そこからは、禅の修行を極めた者の如く、無の境地になって仕事に取り組んでいます。


姑マンの取り扱い説明書の第四項目。

 
 【診断 : コミュ障。
 
 
お薬出しておきますねー

で突き放したいけど、そうもいかない。

突破口を見つけられないままズルズル進む現状。かなり厳しいものがあります。

しかし、桜の蕾が芽吹くには、冬の寒い期間が必要だと、誰かが言っていたって誰かに聞いたことがあります。

早く咲くのがいい事じゃない。
どうせ咲くなら、美しく咲こう。

気持ちは、前を向いていますよ。

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